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ブレーク 神七日を祝して
美の美
この絵の主題は明らかだろう。聖書の創世紀第二章一―三を見ていただきたい。
「祝す」とは、こんな歓喜の光にみちた、ある宇宙的な統一体の状態をさすのであろう。左右に三人ずつの天使六人を配している。周囲には、無限のかなたまでつきとおってゆくような透明な光がさしている。無限の喜びと悲しみと寂しさとがいっしょになった、不思議な世界である。そのなかにある形態も、
三次元のものの二次元への翻訳ではない。 ブレークの描くものは写実的な現実ではなく、意識の極度に強い、いわば内的実存であり、日常ぼくたちが見かつ知っている形態とは、すぐには対応しないものだ。「開かれた世界」とでもいうのだろうか?
正統派から見れば、ブレークは異端かもしれぬ。が、長いキリスト教会の歴史には、ときどき、こうした人物があらわれ、キリスト教会はそのつど、よ強固なものとして再生してきたとも思える。一八〇三年ごろの作。
(美術評論家・明大教授)
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