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宗達「風神図」(京都・建仁寺)
美の美
「風神雷神図屏風」一双のうち石隻である。宗達国といわれるものの中でもっとも有名なものだろう。
青身で一角の風神が背に風をふくんだふくろを負い、黒雲をよんで金地の上を走り、あばれまわっている。だが、この風の神はすこしもおそろしくない。
筋骨たくましく、容貌カイイだが、いかにもユーモラスだ。コッケイである。
着想からいっても、構図からみても、日本絵画史上、ちょっと類がない。 装飾的な新様式を創造しているが、それが単なる装飾におちいらず、がらっとした男らしい生命力を感じさせる。風神だの雷神だの、人間をたえずおびやかすエタイの知れぬものを、逆に人間がとっつかまえて、心を開放する強さである。
宗達の伝記は不詳。ただ、宗達なる名の大画家が江戸初期にいたのはたしからしい。俵屋なる家号、野々村という姓をもつともいわれる。光悦とは関係が深かったらしい。様式からみても二人はたかいに影響しあったようだ。
(明大助教授・美術評論家)
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