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ミロ「農園」

美の美

 ミロは一八九二年バルセロナに生まれ、一九二〇年バリに出て定住したがいつも幼少の感覚を養ったバルセロナ近辺の一種のロマネスクやパロックを思いおこしている。はじめ、カタロニのプリミティブ画家の写本挿絵などの様式とキュビスムの方法とを結合させようとして、いろいろの静物や動物をかいていったが「農園」(一九二二年)はそうした絵の総合である。バリの画室で九ヶ月間、金も食もなく、休む間もなく、これをかいていたという。若々しい清潔な、丹念な仕事である。
 後年ミロは奇怪な内部的イメージをかくようになり、これは「無脊髄スペイン」の中でも異邦に近いバルセロナの風土とも関係があるらしい。が、ここでは、まだ対象の一つ一つにもぐりこみ、少しの狂いも許すまいとしている。鄉的な夢の入口にまで見るものを誘うが、決して空想ではない。幼少のころをすごしたモントロアの農場の実景」である。
(明大助教授・美術評論家)

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