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ブレイク「憐れみ」
美の美
ブレイクは狂人か否か、生きているうちから問題にされたが、たしかに、ちょっとずれれは神がかりになりかねぬ危険がある。が、ルネサンス以後の合理主義の大系からはみ出してしまったもの、それまでの現実に対して「超現実」といわれる現実「抽象的」といわれる物の関係、それらのいりみだれる空間がはっきり問題を提出しているとき、プレイクの発言力は大きい。
この絵も、ものすごい形態や晦渋(かいじゅう)な陰影をもつ一方、幼児のように無邪気であたたかい心があり、また官能の美しさもある。それが別々のものではなく、一緒のものなのだ。
シェイクスピア「マクベス」 第一幕第七場(二―二五行)」のイメージだというが、いかにも奔放な想像力である。 マクベスの、このせりふは、こういうふうに読みとるものか、とあらためて感服する。罪なきものの歌と罪あるものの歌とを同時につくったブレイクの読んだマクベスの心中の深淵は、現代人の深淵に通じている。
(美術評論家・明大助教授)
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