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チャドウィック「ハバナの月」
美の美
リン・チャドウィック (一九一四―)は現在イギリスの中堅の彫刻家である。
はじめ建築を学んだが、彫刻家としては、はじめ鉄線で構成する仕事から出発している。 カルダーなどの、いわゆる「モビール」に似た作品をつくっていた時期もあるが、それは、建築に学んだバランスの感覚からきていたのかもしれない。
一九五五年ごろから、最近のように堅固なフォルムをつくるようになる。この作品のように三角形をもとにして構成したり、方形にもとづいた作品も多い。 それは切っても切っても、三角形なら三角形に、方形なら方形になるというような、一種とりつかれたような感じさえする。
それに出っぱった突起物が生 (は)えているかのようでもあり、それが人体の足や手や首に見えたりする。人間とも怪獣ともつかぬ異様なかたちに無気味なものがあるが、マチエールは、部分が互いにせめあっていて、全体としては鉱物的な強さがある。
(明大教授・美術評論家)
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