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ジャクソン・ポロック「作品」

美の美

最近、抽象芸術のアカデミズム化などという珍妙なことばがつかわれるのをときおり耳にする。たぶん、不用意に出たことばだろう。 アカデミズムとは、一つのシステムとスタイルとをもって厳としたもので、抽象芸術にそれほどのものが確立されたわけのものではない。正確にいえば、抽象芸術通俗化ということだろう。実際パターンになり、だれでも手軽に利用するようになっ
た。いわば、ことばが発想のときの厚みを失って、俗語に堕したようなものだ。
ポロックは先年自動車事故で死んだが、ほとんど自殺に近かったといわれる。全身を画面にぶつけて、自分のことばを求めようとした、一つの典型といってもいい。メチャメチャのようだが、決して軽業をやっているのではない。こうまでしなければいられなかった必然性がある。 抽象絵画の手法がパターンになり、俗語に堕したことに対しては、激しい怒りを感じていたにちがいない。自分自身の手法が、パターンになることに対しても。
(明大教授・美術評論家)

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