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サミュエル・パーマー「仲秋の満月」
美の美
英国風景画展から
ウィリアム・ブレイクは弟子をもたなかったが、晩年、彼をしたら若い友人たちにかこまれ、貧しい彼の家は幸福だった。そのうち、パーマー(一八〇五―一八八一)は最も年少で、リンネルを通してブレイクを知った。生来病弱で神経症のパーマーにとって、ブレイクとの出会いは大変なショックだった。 ブレイクの神秘的な詩、予言書、絵にあらわれる、ある絶対的な持続的な時間、親しい友人に対する心やりのある会話……若いパーマーは当時全く信従した。
ブレイクの没した一八二七年から七年間を病いを回復するためショーラムという僻(へき)村に住みその風景を、水彩、テンペラ、ペンなどでかいている。ブレイクの一側面の影響の非常に強いのはこの絵でもすぐわかる。幻想的風景と現実の風景とがダブルイメージとなり、彼の画歴で、この時期の作品が最もいい。のちに、グレアム・サザランドが若いころ、この時期のパーマーに触発されたというのもうなずける。
(水彩、一二・五 一五センチ、一八三〇―三一年ごろの作、カーライル市アート・ギャラリー蔵)
美術評論家 岡本 謙次郎
英国風景画展は、11月22日まで、東京上野・国立西洋美術館。12月1日―46年1月15日、京都岡崎・京都国立近代美術館。ともに月曜休館
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