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サザランド 曲がった形体
美の美
サザランドは路傍の石ころ、木の葉、虫、樹木、人間、その他なんでも親しい感情をもって生かすが、そのかたちは、いつも苦痛にゆがんでいる。これは、ある意味でピカソと正反対かもしれない。
ピカソのポケットは、道ばたで見つけた石や貝殻や針金などのガラクタでいっぱいだそうだ。 アトリエでは、それが一つ一つ、まるで魔法のつえにふれたように、ひょいひょいと生きてくる。この点は似ているが、ピカソはどこまでも陽気で楽しげである。どんな苦しいときでもも楽しげである。サザランドは、もっと苦しげであり、悲しげである。 スペイン的情熱とイギリス的情熱との相違でもあろうし、また年代的な相違でもあろう。
サザランドがピカソに学んだものは大きいが、南欧的な楽天的な開放感にそのポイントをもとめず、北欧的な信仰にポイントをおいている。現代芸術と宗教との関係を考えるうえに重要なモメントになりそうだ。
(東京国立文化財研究所所員)
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