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カンスタブル「デッドハムの水車」
美の美
カンスタブルはターナーとともに十九世紀前半のイギリス風景画を代表するが、画風は対照的で、カンスタブルの主題は終生あまり変わらず、地味な風景をかきつづけた。
印象派以前に画架を戸外に立て、即物的な写生をした画家だから、この作品のような油彩スケッチの多いのは当然だが、 多くは、速い筆で一気にかかれている。 感興的な筆触や発想の強さがよくわかる。完成作の方では、光と色とで物象の現実的感覚を導入しつつ、自然の事象の厳格な掟(おきて)を守っているが、スケッチの場合は、そうした考慮せずに、いきなり感興をぶつけている。完成作にはかくされている流動する運の強さなどに、意外に悲劇的な心情がうかがえる気がする。あるいは、その辺にロマン主義的気質を見るべきかもしれないし、それはカンスタブルの初期から晩年まで一貫して、もちつづけていたものである。
(美術評論家・明大教授)
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