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『うずくまるライオン』
美の美
紀元前六二五年ごろ、ギリシのコリントでつくられた作品。 石灰岩の彫刻である。
ライオンのからだは非常に長くのばされている。顔はこころもち右をむき、いまにも獲物にとびかかろうとするのか、威嚇(いかくするようなツラツキである。からだや顔の筋肉など、かなり誇張されているし、そのうえ、もとは、それに着色されていて、さらに強調してあったらしい。
とじた口のまわりの筋肉の動きなど、きわめて様式化さ模様化されているが、決して単なる模様にしていない。 死者の平安をまもるために、墓の守護としてつくられたものといわれる。
当時、この作品をつくったコリントの作者が、実際にライオンを見たかどうかは疑問である。おそらくオリエントから将来した作品にもとづいて、このライオンをつくったものと思われる。ギリシャ・アーケイック時代の、まだ技巧に流れぬ迫力をもっている。
(美術評論家・明大助教授)
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