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「ハープを弾く人」

美の美

ちょっと鋼管ででもつくったモダン・アートかと思わせるが、紀元前第三千年末(変な言い方だが、古代初期で年代の不明確などきは、こんな言い方をする)の初期キクラデス文化圏の作例である。ここではハープその他の楽器をもつ人体がさまざまにつくられているが、しかも、楽器と人間の姿態とが不思議に交錯して、複雑な関係をかたちづくっている。たぶん、音楽にあそんだ民族なのだろう。この作品も、見ているうちに、なんとなく音楽のメロディにのせられるような気になる。
キクラデス諸島はエーゲ文明欄にありながら、主導的な立場に立ったことがないといわれる。たえず外来の影響をうけて、被支配者の立場に立っていたらしい。それだけに、この作品も強い力は感じられぬが、しかし、やさしみのある庶民的な感情で、かたちをやわらげ、あたたかいフンイキをただよわせ、そこはかとない、なつかしさを感じさせる。
(明大助教授・美術評論家)

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