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「アボリジニーの絵」
美の美
アボリジニー(オーストラリアの原住氏)が、狩猟や婚葬などの祭りのとき、部落中があつまって、ランチキさわぎをするが、それをコラボリという。このバーク・ペインティング(樹皮にかいた絵)は、たぶん、ダチョウ狩りのときのコラボリーだろう。鳥の頭をかぶった人間がヤリをもっておどっている。
コラボリーの音楽は、またなかなかおもしろいもので、この人物たちの動きによくあっている。視覚と聴覚とが未分化の状態だといえないこともない。
茶と白でアミの目の模様をつくり、人物を黒であらわしている。あいた空間に、さまざまなアミの目の模様をこまかくおいているところなど、こころえたもので、人間の美意識の平衡感覚みたいなものが感じられる。
定住地をもたぬ原始民族なので、木にかいた絵など、そのままおきざりにされ、やがて朽ちてなくなってしまう。そのため、こうした絵をオーストラリア政府は非常に大切にしている。
(明大助教授・美術評論家)
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